先日、大雄山最乗寺のイベント、禅院茶礼と法話のつどいに参加して、禅に対する興味が再び高まってきました。そこで、本棚にしまいこんであった禅に関する本を読んでいます。そのひとつが、今日紹介する「禅に学ぶ」という本です。
ひろさちやさんは言います。禅や仏教を学んでも問題は何も解決しないと。問題そのものは解決されずに、一時的な心の安定しか与えてくれないとも。それでは、どうして学ぶのか?というと、問題はそのままにしておいて人生をどう生きれば考えるために、この本を書かれたと。
私も正座を何年も続けていますが、正座で問題が解決されることはないです。でも、一時的にではありますが、心の平穏がやってくるのも事実です。そしてそういった時間や瞬間が少しあるだけでも、生きにくさから解放されるのも事実です。
さて、そしてどう生きれば良いのか?
ひろさちやさんは教えてくれます。禅が教えてくれるのは世間の束縛の断ち切り方です。世間の物差しの捨て方です。それは、つまりは世間を馬鹿にする、ことです。心の中で、私は世間の物差しには騙されないぞ。わたしは自分の物差しでもって、自由に生きるとぞ、と思っていることです。完全に世間から離れてしまうことではありません。
禅については、効果効能よりも、その実践に興味があります。ですので、もう少し突っ込んで向き合っていくつもりです。
ひろさちやさん略歴
1936年大阪市に生まれる
東京大学印度哲学科卒業。同大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程中退。気象大学校教授を経て、現在、仏教・インド思想の研究、執筆等に幅広く活躍。仏教を一般の人々に平易な言葉で伝えている。