🔥 火のちから──天河の火と、わたしの祈り
🌱 序章:火中の栗とわたし
わたしの心には、いつもどこかで火中の栗が転がっていました。
それは、まだ熱いもの、触ればやけどしてしまうもの。
それなのに、「それを拾わなければならない」という衝動が、長いあいだわたしの中で燻(くすぶ)り続けていました。
家族、仕事、他人の想い──その一つ一つが、火となり、栗となり、わたしの心へ降り積もる。
「それが優しさだ」「それが役割なのだ」。そう思い込みながら、肩から荷を降ろせずにいました。
そのとき、心の奥から問いが芽吹きます。
「その栗、ほんとうにわたしが拾うものなのだろうか?」
その問いだけで、ほんのわずか、心の中で火が揺らぎ、やわらいだのです。