森永さんが世を去る2週間前に遺したメッセージと表紙に書かれています。
読んでいると、森永さんがあの世からやってきて、語りかけてくれているような気がします。
以下に引用を書き出しますが、森永さんがおっしゃっていることは、
ここのブログ、ここを作る前に書いていた旧ブログ自由へのとびらで書いてきたこととかなり「共鳴点」があるなぁということです。
私は大学で教えるようになって20年以上がたちますが、学生たちにいつも伝えていることがあります。
それは、「夢を持つな。持つべきものはタスク(課題)である」ということです。
夢とは、「いつかかなえられたらいいな」と思うものです。そして、「いつか」は「永遠に起こらない」に等しい。
つまり、「いつかできたらいいな」と思っていることは、「永遠に実現しない」こととほぼ同義なのです。
しかし、それを「タスク」として捉えると、話は大きく変わります。
タスクとは、「取り組むべき課題」のこと。夢とは違い、タスクになった瞬間、それを実行するために何かしらの行動を起こさざるを得なくなるのです。つまり、「夢を持つな。タスクを持て」とは、「かなえたい未来像をただ夢見ているだけでは、永遠に実現しない。
しかし、それをタスクとして設定すれば、現実的な行動を起こすことができる」ということなのです。では、やりたいことを見つけるには、どうすればいいのか。そのために必要なのは、「まずやってみること」です。
これまで「お金を稼ぐこと」を第一に考えてきた人にとって、これはいわば「マインドのリハビリ」といえるかもしれません。
「これで食べていけるかどうか」という考えはいったん脇に置き、とにかく興味を持ったことに挑戦してみる。
さまざまな分野のことを試してみる。やってみて楽しかったら続ける。
楽しくなかったら、さっさとやめて次に行く。それだけの話です。「生きがいだけのために生きる」
これは、多くの人にとって理想的な生き方に思えるかもしれませんが、決して遠い話ではありません。
少しずつ「お金優先」の価値観から脱し、自分の心が求めるものを探していくことで、それは誰にでも手の届くものなのです。私は、まさにそのことを実感して生きてきました。
「やりたいことを全部やる」人生とは、「生きがいだけのために生きる」人生と同義だと思います。
本書では私の人生観を語ってきました。
みなさんが今後の人生を豊かに、充実して生きるヒントが一つでもあれば幸いです。
「生きがい」を持つことこそ、幸せな人生の秘訣。
お金至上主義の価値観から抜け出そうだからこそ、興味があることがあれば、とにかくやってみる。失敗しても構いません。
人生において最も大事なのは、「やりたいことを全部やり、完全燃焼する」ことなのです。
読んでいて、なんだか楽しくて、嬉しくなる、そんな本でした。